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2005年 11月 10日
先日、福井県で老夫婦が起こした心中事件。
とても不謹慎なことを思ってしまったから ここには書かないほうがいいかと思ったけど、やっぱり書くことにした。 詳細を伝えるニュースを見ながら涙が止まらなくなってるのに 心のどこかで『映画みたいだな』って思ってる自分がいた。 共同墓地の誰も使わなくなった火葬場、 用意されたメモに、役所へ郵送された遺書、 車からはクラシックが流れていたという。 誰にも迷惑を掛けることもなく、計画的に行われた心中。 認知症にかかっていた妻を献身的に介護していた夫。 ご自分の体調が悪くなってきて、このままでは妻を自分で 面倒見ることができないと思われた様子が、周りの証言から浮かび上がる。 「生きる」ことが全てじゃない。 奥さんと二人じゃなきゃ、「生きる」ことの意味はなかったのかもしれない。 認知症の奥さんで大変、周りが思ってるほど、旦那さんは辛くはなかったのかもしれない。 ふたりだけの深い愛情と絆。 以前働いてた薬局で、足の悪い奥さんの手といつも手を繋いでくるおじいちゃんがいた。 「お大事に、お気を付けて」と帰られる時に声を掛けたら、 ニッコリ笑って「若いときは手を繋ぐんを嫌がられたが、今は毎日繋いどる」 と、おっしゃった。なぜだか妙にホッとした。 どちらかが介護が必要でも、どちらも介護が必要でも 最期まで一緒に居られるような方法はないのか。 周りがなんとかしてあげられなかったのかと、そういう意見もあるみたいだけど 今の日本では、よっぽど裕福で、よっぽど恵まれてないと 認知症の妻、と、入院が必要な夫、が一緒に過ごせる可能性は低い。 せめてもう少し、苦しくない方法で死んで欲しかったと、 これも不謹慎な考えなんだろうな。 ご冥福をお祈りいたします。
by momo_natsu
| 2005-11-10 18:20
| 日々思い、考えること
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